専門職大学校に看護科があったら、どんなに良いか考えてみる
私が看護師になる時は、高校を卒業した後、3年過程の看護専門学校に行くか、4年間、大学の看護科で学ぶかでした。
しかも、まだ『看護婦さん』でした(*^.^*)
今年4月、55年ぶりに新制度が加わり専門職大学という、なにやら賢そうな学校が設立されました。専門職大学とは、どういう学校なのか、看護科は開設されたのか、看護科が開設されたらどんなものになるのか私なりに考えていきたいと思います。
私が、進路を選択する時にはなかった選択肢。新しい時代の学校ですね。
1 専門職大学とは
2 看護師の中で専門職大学卒業生が生まれた場合を考えてみる
3 現在開設されている専門職大学の看護科
1 専門職大学とは
専門職大学とは何者かを調べる前に、まず、大学と専門学校は、どのような位置づけなのでしょうか。
・大学は、学問を追求、研究する学校。
・専門学校は、将来の就職に向けて技術を身につける学校。(知らなかった…)
それでは、専門職大学とは…
大学と専門学校の良さを融合し仕事に役立つ知識と技術を身につけ、
将来的に産業をリードできる人を育成するため、産業と連携しながら、実習や実験などを重視した、実践的な職業教育を行う学校。学生のうちから業界を深く知り仕事に役立つ応用力を学ぶことができる学校。
また専門職大学の大きな特徴が、『大学』の枠組みの中に設置されることだそうです。
卒業すると、『学士』の称号が得られます。
これは、とても良い学校だと思いませんか(・・?
私は専門学校卒業ですが、大学出身の看護師さんがとてもうらやましいです。
将来、看護教員になりたい私は、学士の称号があると、大学の教員として入りやすいです。今からですと通信教育で取得するという道がありますが、やはり大学で幅広く学んでみたかったと思います。
2 看護師の中で専門職大学卒業生が生まれた場合を考えてみる
専門職大学とは、2019年から開校された新しい学校です。したがって、まだ卒業生がいないので専門学校卒業生や大学卒業生と、どのように違ってくるのか、実際にはわかりません。ここから先は私の考える看護専門職大学生の卒業後の進路です。
看護師は、看護師になってから経験を積んで自分の得意分野が見えてくると、様々な分野への道が開けていきます。・急性期病院の看護師・療養型病院の看護師・デイサービスの看護師・リハビリの看護師・在宅の看護師・保育園の看護師・治験センターの看護師
大学の看護科は、保健師か助産師の免許まで取得できますが、専門学校卒業ならば、資格の取れる学校に行きなおし、保健師か助産師の免許を取得し、保健師や助産師として活躍するということもできます。保健師になった場合には企業の保険指導にも携わることができます。
私が少し考えただけでも、たくさんでてきます。
今ある、大学、専門学校の卒業でも、十分、看護師として活躍できそうです。
しかし、看護師は離職率が高い職業でもあります。
常勤看護職員離職率は10.9% 新卒看護職員離職率は7.8%です。全層での全国平均が15.0%である為、看護師の離職率がものすごく高いというわけではなさそうです。
リアルに言いますと、私の働いている病院では常に人が足りませんが…
先ほども述べたように看護師は、看護師免許を取得してから色々な道が開けてきます。自分の得意分野に集中していきたいと考える看護師も多いわけです。
つまり、専門職である為にキャリアアップが可能な職業でもあります。
そのため、ある程度経験を積んだ看護師が、転職するからといって必ずしも、マイナーな離職であるとは限らない気がします。
では、新卒看護職員離職率の場合は、どうでしょうか。
大きな声では言えませんが、実は、私が働いている病院でも新卒さんが泣いている所をよく見かけます。私もそうだったのですが、看護職というのは、学生の雰囲気と職場の雰囲気が、想像もできないくらい違うと感じます。
学生の時に行っていた、病院実習はレポートもたくさん書きました。三年生は、ほとんどが実習でへとへとでした。しかしそれが、実践につながっているかというと、やはり就職した後で感じたギャップは大きかったです。
専門学校では,3年間で実習が1035時間あり、実践力を育成させるように決められています。しかし、学生の実習はやはり基礎的な教科書的なことが多く、実践力を養う実習になっているかは疑問です。基礎的なことを学ぶことも、もちろん大切ですが、看護師の場合、一か月もすると夜勤に入るようになるため、学生のうちに少し応用力も身に着けることができたら、現場とのギャップを少しでも埋めることができるのかなと思います。
そういう点で、専門職大学の看護科が設立され、実践的な職業教育が進めば、現場に馴染むことの早い看護師が生まれ、現場とのギャップが少なくなり、新人看護師の離職率も低くなるのではないでしょうか。また、基本的には大学の枠組みに取り込まれる為、その先のキャリアアップも容易になってくるかもしれません。
看護師全員出来ると思われている、採血や注射も実は、大変技術を要するものです。
技術だけでなく、精神力も必要です。私は、採血室に三年間閉じこもり、血管という見えない敵と戦ってきました。見えてる血管といっても、細さ、深さ、広さ、脆さ、血管に到達するまでの皮膚の厚さというように、教科書では語れないほどの奥深さがあります。加えて、人のプレッシャーから受ける自分の精神力と戦わなければならないのです。私の場合、色々と慣れてしまいましたが。心臓が鋼で出来ている看護師ばかりではありません。しかし、この採血で新人の時に挫折してしまう看護師さんも多いのではないでしょうか。もし実習で、もう少し、採血も注射もさせてもらえたら…❔
精神力が少しは備わりますか(・・?
教育する先生も大変だとは思いますが、未来の看護師の人手不足を解消するためにも、ぜひ学生の頃から、実践的なことも取り入れれる看護職大学の看護科に期待したいです。
3 現在開設されている専門職大学の看護科
実践力が備わる専門職大学の看護科は、看護職という専門職である看護師の育成に最適だと思ったのですが、現在、明確に開設が決定している学校は、見つかりませんでした。認可申請をしていた学校も取り下げしたそうです。理由としては、専門職大学として理想とする教育環境を整えることが難しい。優れた実務上の実績がある教育者の育成が間に合わない。などのようです。
基礎的なこと、専門的なこと、技術を身に着けることに加え、実践的な職業訓練を行う学校ですから、かなりレベルが高いと思います。それに、教育者も揃っていないと現実的には難しいのかもしれません。しかし、しかし、看護師が専門職である以上、このような学校が、たくさん出てきて看護のプロがどんどん生まれることを、願っています。また、開設が叶ったら紹介していきたいと思います。
ありがとうございました。