医療用薬品の国内売り上げトップから見えることを考えてみた
それでは、今日は薬品について書いていきたいと思います。
2018年度、医療用医薬品の国内売り上げ高トップ20が発表されました。
トップ5までみていきたいと思います。
1位は アッヴィのC型肝炎治療薬 マヴィレット
2位は ファイザーの疼痛治療薬 リリカ
4位は 小野薬品の免疫チェックポイント阻害薬 オプジーボ
5位は MSDの免疫チェックポイント阻害薬 キイトルーダ
以上が上位5位までの薬品です。
1位のマヴィレットは爆発的なヒットとなり、前年度比の売り上げ高が216.7増となっています。
すごい。薬で前年度比、200倍なんて単純にすごいとしか言えないです。
特徴は最短8週間で治療が可能ということでジェノタイプを問わず使用できるそうです。
どれも有名な薬なのですが私が聞きなれている薬からいこうと思います。
まずは、オプジーボです。
オプジーボとは、がん治療の四本目の柱である免疫療法の一つです。
これまでの、がん治療は手術、放射線療法、化学療法が三本柱とされてきました。
そして、近年になって研究が進み、がん治療の四本目の柱となったのが、がん免疫療法です。
オプジーボは記憶に新しく、2018年12月に京都大学の本庶佑氏と米テキサス大MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソン氏が『免疫チェックポイント阻害薬』という新しいタイプのがん薬物療法の開発に貢献したことが、ノーベル医学生理学賞を受賞しました。
実際、薬剤として認可されたのは2014年7月です。
従来型の抗がん剤による化学療法や放射線療法は、がん細胞を直接攻撃する治療法です。
一方、がん化学療法は、お薬が直接がん細胞を攻撃するのではなく、患者さん自身の『免疫』を利用します。そのため、がんが小さくなるまで少し時間がかかると考えられています。
私の勤務している、外来化学療法室でも、このオプジーボを受けている患者さんはもちろんいます。肺がんの方で、非小細胞肺がんの患者さんが主です。(他にも、腎細胞がん、悪性黒色腫のがんが対象となりました。)
やはり、ノーベル賞受賞が発表された後は、うちの病院でもオプジーボの問い合わせが多かったです。
がん化学療法では、腫瘍の種類や遺伝子の種類によって薬の種類を決定しています。
オプジーボがノーベル賞を受賞した後には、なんとか自分のがんにも使用できないかといわれる方もいました。やはりそれだけインパクトのある発表だったに違いありません。
小さなうちの病院でも問い合わせが増えたくらいですから、それが医療薬品の売り上げトップ5の中の二つに入っているのも納得できます。
ただ、もとの値段はすごーく高額だと思いますが。
患者さんは、色々と調べてこられ診察の時にも色々と質問されます。
実は、ノーベル賞発表まで、免疫療法のことを、あまり詳しく調べたことはありませんでした。
第四の柱として登場した以上、しっかりと調べて患者からの質問にしっかりと答えられ、ケアにつなげることができるようにしたいと思います。